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北海道よりBBQスペシャリスト、コールマンアドバイザーである榊氏を招いて、「BBQとは何か」「炭火の扱い方」「美味しく焼く方法」などBBQの極意を実践しながら学ぶという、「BBQ MASTER’S ACADEMY」を開催した。
結論からいうとイベントに参加してみて、驚きの連続でBBQの奥の深さに感動を覚えた。これは決して大袈裟に言っているわけではない。
筆者自身、友人と毎年のようにBBQをしている。その目的は「昼空の下、冷えたビールを飲む」であり、「おいしい料理を食べる」という意識はほぼ皆無。
最初に塩タンを大量に焼いて、濃いめに塩コショウしてレモン汁で食べるあたりまではいいのだが、酒も入っていい気分になってきたら、焼きすぎたカピカピの肉と野菜をタレにつけてつまむぐらいで、とても料理とは言えない。嫁や子供も、家で作ったおにぎりが一番美味しいと言う始末。
いつもこんな感じだから、筆者も少しBBQに飽きていたので、美味しいBBQってなんだろう?という興味本位で今回のイベントに参加した。
4月のまだ肌寒い日にも関わらず半袖の榊氏の講義が始まった。
まずは火の起こし方。
使う炭は「岩手切炭」。高価だが、着火が恐ろしく早く、さらに火持ちが全然違う。炭に無数の穴が放射状に開いているのでそこに空気が流れて火が付きやすいとの事。この炭は是非チェックしてほしい。
着火剤は、主に薪ストーブの着火で使う固形のものを使用。それをWを描くように並べ、その上に炭を載せていく。「炭は皮目を下」にするのがポイント。
火を付けて、皮が焼けて白くなったらひっくり返す。全体が白くなったらOKだ。
次に肉を焼く。
まずは分厚い豚トロから。
両面に塩コショウしてから焼くのだが、ここで驚きポイント。
炭の直火で焼くと思っていたら、そうではなかった。「炭を川の字に配置し、その間に肉を並べて焼く」のだ。そうする事で、肉の脂が落ちても火が上がらないというわけだ。じっくりと脂を落としてこんがり焼き目がついたら、ひっくり返し両面を焼き上げる。ひっくり返すのは一度だけ。脂も程よく落ちて旨味はそのまま。食感は柔らかく美味い。
いつもBBQで豚トロを焼くのだが、だいたい脂のせいで大炎上をお越し焦げ焦げの豚トロを食べる羽目になっていた。この方法はとてもいい。
次は肉厚のスペアリブ。
スペアリブのポイントは「骨側から焼く事」。肉面から焼くと骨が冷たいままで熱が奥まで伝わらず焼きムラができるとの事。骨を下にし、焼きそばを作るときに使うアルミトレイを蓋がわりにしてカバーする。カバーをする事で赤外線が反射し、食材の上面にも遠火が当たる。火が通りにくい塊り肉はこの方法が有効らしい。
これまた両面に塩コショウで、ひっくり返すのは一度。中までしっかりと焼けていて、ジューシー。食感も柔らかく、歯で容易に噛みちぎれる。美味い。
三番目にステーキ。厚みも15mmほどでしっかりとしたものだ。
ステーキも両面に塩コショウをし、焼く。カバーはせずじっくりと焼き上げる。
ひっくり返すのは絶対に一度だけ。旨味が落ちてしまうから。
ひっくり返すタイミングは上面に脂が滲み上がってきたらときだ。それまでじっくり待つ。それを両面繰り返す。両面に焼き色がついたら、そっとアルミホイルに移し、ステーキ肉をしっかりと包み余熱で3分。ミディアムレアなステーキの完成だ。
包丁を入れると、中はほんのり赤く、口に入れると肉汁が溢れてジューシー。うう美味い。
ウェルダンがいい人は余熱で5分ほど置いとくといいそうだ。
もうだいぶお腹いっぱいだが、まだまだ続く。
次は玉ねぎ。ここも驚きだった。
玉ねぎは皮がついたまま丸ごと焼く。炭の配置を筒状に変え、その中心に置き30分ほど放置する。焼面が真っ黒になったらひっくり返して全体が真っ黒になるまで焼き続ける。真っ黒になった玉ねぎを取り出して包丁で切ってみると、中から蒸気がボワッと上がり、ホクホクでみずみずしい白い玉ねぎが出てきた。
なにも付けずに食べてみたらびっくり。ううううう美味い!!
BBQで初めて美味い野菜を食べた。
野菜は皮付きで、皮目から焼くのがいいそうだ。
ここまでが基本動作で、この後はこれらを複合的に組み合わせてハンバーグを焼いたりし、最後には、なんとデザートのイチゴパイまで炭で焼いた。これまた本当に美味しかった。
この1日で体験したBBQはまさしく料理だった。タレに頼らず食材が持つ本来の旨味を存分に楽しめ、それはただただ感動だった。
やはり、ただ単になにも考えず焼くのではなく、どのようにしたら美味しく焼けるかを考え追求する、失敗してもそれを学びとし、プロに聞いたり様々な方法にトライする、そんな学びの重要性を感じた。
そして今回のBBQで使った肉は基本的に分厚くて大きく、焼き上がるまで時間はかかるものの、それまでの時間を仲間と談笑しながら出来上がりを一緒に楽しめたことが本当に良かった。BBQの時間の楽しみ方まで学ぶことができた。
このような企画をどんどんと起こしていきたいと思う。
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