理事長所信

理事長所信/2015年度


一般社団法人西脇青年会議所
第55代理事長 笹倉照暉

はじめに

「アベノミクス」に日本が湧いた昨今ですが、地方地域社会に於いてはその効果の波及があったのかは疑問です。むしろこの地域では、大手企業の撤退による地元労働者の大量失職、地元企業の倒産、商業施設の撤退等あまりいいニュースを聞く事がありません。また、日本全体では少子高齢化、人口減少が叫ばれ、この地域はさらに過疎化による人口流出が問題となっています。これらの問題に対して「行政」での対策は進められているのかも知れませんが、「住民」としての対策は十分でしょうか?地域行政でも様々な対策をとられているとは思いますが、行政だけではいかんともしがたい事があるのではないかと思います。政治による政策だけでは限界があるのです。地域問題について地元住民が、地元青年がもっと積極的に関わり、もっと積極的に解決しようと動き出さねばならないのではないでしょうか。

公益社団法人日本青年会議所は1951年「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと歩み始めました。そして我々西脇青年会議所の先輩諸兄もその「志」に賛同し、1961年、西脇市及び多可郡周辺を主な活動地域とする、日本で198番目の青年会議所を設立されました。2015年現在、そこに「志」はあるでしょうか?高度経済成長、バブル好景気等日本経済が上昇気運の中を歩み続けてきた西脇青年会議所。また、バブルの崩壊、リーマンショック等日本経済が低迷するなか社会人となった我々世代が中核をなす西脇青年会議所。いつの間にか時代の中に埋もれてしまい、いつの間にか時代に身をゆだねるような、流れに抗う力なき存在になってしまってはいないでしょうか。今こそ「志」を再確認、再構築し、地域の衰退に対して抗う行動を、そして地域の明るく豊かな未来の為に行動を起こさなければなりません。

若者よ立ち上がれ

我々青年会議所では、会員の人間力開発、指導力開発など「ひとづくり」が長い歴史の中で脈々と受け継がれています。そして、この「ひとづくり」で得た経験を糧に地域で、日本で、世界でご活躍されている先輩方も多数いらっしゃいます。しかしながらこの青年会議所の「ひとづくり」は青年会議所に所属していないと経験できません。また「まちづくり」も我々のような団体に入っていないと行動を起こすのは難しいです。この加杉野地域には若き力あふれる青年が一般社団法人西脇青年会議所メンバー以外にもまだたくさんいます。仲間の為であれ自分の趣味の為であれ、何か行動を起こそうとする若者がいるのです。我々一般社団法人西脇青年会議所には「ひとづくり」により養成された資質と理想高き青年たちと、いままで培ってきた「まちづくり」の経験があります。加杉野地域活性化の為、我々が我ら以外の加杉野地域にいる若き想いをもった青年たちを巻き込んで、新たな旋風を巻き起こすことができないだろうかと考えます。

私はこの日本の歴史の中で、私の尊敬する人物の一人である坂本竜馬が活躍する幕末から明治維新の時代が一番好きです。この時代は、自らの藩のため、未来の日本のため、「志」をもって多くの人々が奔走しました。その中心となったのは若者たちなのです。坂本竜馬も32歳でこの世を去るまで約10年間、自分が理想に掲げる日本のため奔走したのです。幕末の動乱期を乗り切って明治政府を樹立したのも20~40歳前半の若者たちです。我々はここまで大きな仕事ができずとも若者としての英知と勇気と情熱をもって理想とする地域のため行動をおこさなければならないと思います。また、地域の為、何か大きな変化をもたらす力をもっているのは、我々を含めこの地域の若者たちではないでしょうか。

日本・地域をもっと知る

私は青年会議所に入って初めて行政の主催するまちづくり等の会議に参加しました。そこで目の当たりにしたのは、私以外に若者がいない事です。この地域の未来を話し合う場に、もっとも参加すべきであろう若者がいないのです。他のこのような会合に行っても同じような状況だと聞きました。この地域の未来を語る場に、若者をもっと巻き込むべきです。我々青年会議所が地域の若者たちをこの地域の未来づくりの場に巻き込む行動をできないだろうか。新たな「志」を育むことはできないだろうかと考えます。

このような現状の原因の一つには、若者がこの地域の現状を知らなすぎる、もっと言えば、この地域に対して無関心すぎるのではないでしょうか。まず我々一般社団法人西脇青年会議所が先頭を切ってもっと地域を知り、日本を知り、他の若者たちと共に語らうことができるようにならなければなりません。地域の現状を積極的に知ろうとし、多くの情報を得て、その中で本質を見極め発信する力を養いましょう。

青年会議所は地域、日本、世界と組織が繋がり、様々なステージが用意されています。自らが望めばいくらでも広い世界の舞台に立つこともできます。また、その舞台に立たずとも、広い舞台を見て学ぶ機会を与えられています。我々は、地域はもちろんのこと日本、世界へと見聞を広げることができる環境にあるのです。もっと見聞を広めるべく、公益社団法人日本青年会議所等の主催する大会やセミナーに積極的に参加しましょう。そうすれば今まで以上に地域を知り、日本を知ることができます。そして学んだことをこの加杉野地域に還元し、我々が地域活性化の先頭に立ちこの地域を明るい未来に導きましょう。

地域青年経済人として

我々はjayceeである前に、一青年経済人です。我々の地域貢献の最も重要たる一つは地域経済の活性化です。我々は地域経済をけん引する一人としてしっかりと働かなければなりません。そのために必要なスキルや経験をこの青年会議所できっと得ることができるはずです。JCはよく「大人の学び舎」と言われます。20歳から40歳の青年が、自分たちに必要な学びを、自分たちで考えて学ぶ機会を与えられています。また、青年会議所には様々な役職が用意され、地域の青年経済人の先頭に立ち事業をする経験、そしてその先には日本、世界へと、他では得難い経験の機会を得ることができます。このような経験は必ず自社を活性化する、地域を活性化する経済人になるための一助となります。自社のみならず、地域経済をけん引すべく、もっと自らを研鑽しましょう。メンバー同士切磋琢磨し、得難い経験の中で自らの経営資質、指導力を伸ばしましょう。我々は一青年経済人として、社会的常識な当たり前のことを当たり前にできるように、更には地域を代表する経済人として地域経済に立派に貢献できるように、そんな成長ができる団体となりましょう。

まちおこしによるまちづくり

一般社団法人西脇青年会議所では、地域の方々に、また地域の青少年にこの地域をより知って頂き、これからのこの地域の在り方を考える事業等を主に行ってきました。最近は全国的に、地域の魅力の発信、地域ブランドづくり等まちおこしに力を入れている地域が多いように思います。我々もまちおこしによるまちづくりを実行してみてはどうかと考えます。今、地域の人々が故郷を語る時、加杉野地域について何を誇り、何を語るでしょうか。地域住民がもっとこの地域をPR出来るように、我々がこの地域の誇れるものを見つけ積極的にPRしましょう。特に地域の特産品をPRすることは、地域経済の活性化にも繋がるのではないでしょうか。黒田庄和牛、播州百日鳥、播州織、杉原紙、播州毛針、金ゴマ、山田錦等々、この地域は誇れる特産がたくさんあるではないですか。自治体でもその活動は広がりを見せていますが、官民一体となって取り組めば、より効果的にまちおこしができるのではないでしょうか。ましてや、我々青年会議所のメンバーは地域青年経済人の集まりです。地域経済の活性化の為にも、我々が行動を起こしていきましょう。また「加杉野地域」として、このようにバラエティに富む形でPRが出来るのは我々をおいて他にはないでしょう。

自分たちだからこそ出来ること

近年、社会には様々な社会奉仕団体・社会貢献団体が増え、「JCしかない時代からJCもある時代へ」と言われて久しくなります。これはまさにJCが様々な社会運動の中に埋もれてしまっていることを表す言葉だとおもいます。我々JCが時代に埋もれることなく、再度その時代の先頭を、地域の先頭を行くような理想高き団体へとなるためには、我々に出来ることを再考せねばなりません。

「地域の様々な業種の経営に携わる若き青年たち」。こんなメンバーが集まり、政治・経済等に制限されることなく活動できる団体は他にあるでしょうか。個性溢れ自由に活動できる我々は、多くの可能性を秘めています。その秘めた可能性を引き出すには先ず自分たちだからこそできることを考え、それを最大限に活かすことが必要だと思います。この地域のため、もっと自分たちが出来ること、自分たちだからこそ出来ることを語り合い形にしていきましょう。そしてそれを実行できれば、また新たな形でこの地域の明るい豊かな社会の実現に貢献できるはずです。

繋がること

最近、青年会議所や消防団、自治会などに参加する若者が少なくなっています。現代の若者は社会的に人との柵(しがらみ)を避ける傾向にあり、人間関係が希薄になってきているようです。これは資本主義の発展に伴い個人主義的思想から落とされた影なのかもしれません。古来日本という国は集団主義的文化の国とされています。集団で物事を成す文化と伝統と知恵を持ち合わせた民族なのです。今、この日本は西洋的に発展し、国際的地位を上げてきました。しかしながら、近年海外から高い評価を受けるのは日本の集団主義的文化や思想です。我々は集団としてことを為すことに長けているのだと思います。経済発展を遂げた後のこの混沌とした社会に、今一度人と人との繋がりが必要となるのではないでしょうか。我々が日本古来の精神文化を根底に活動できていれるのであれば、近い将来再評価される時が訪れるはずです。今まで築き上げてきた繋がりを大切にし、家族を想いやり、友人を想いやり、地域を想いやる。我々はこのように繋がり想いやることを再確認し、この加杉野地域の未来の為、我らの運動を展開していきましょう。

また、我々は更なる繋がりを求めていきましょう。一人ではできないことも、その繋がりが広がることによって可能にします。その人数が増えれば増えるほど、可能性は広がっていくのです。我々の運動に更なる可能性を生み出すため仲間を増やしましょう。私たちは評価されるべき誇りある運動をしています。胸を張ってこの地域に我々の運動を語り、そして仲間を募りより大きく繋がりましょう。そしてまた、この繋がりは友情を育み、我々にとって一生を通しての大切な繋がりとなることでしょう。

一体感ある組織

人は脳からの指令で手を動かしながら話すことができ、また同時に歩くことができます。様々な動きを同時進行でき、また、連帯して動きます。これが全力疾走の時はどうでしょう。単純な目標だけを据え、頭の中は真っ白になり、体全体を無意識に使い全力で走ります。一般社団法人西脇青年会議所は正に「一体感ある組織」を目指しましょう。普段はそれぞれの組織の動きをし、それぞれの働きをする。意識を一つにするときは、動きを止め心静かに前を見据える。全力で走る時はメンバー一丸となってより力強く走れるようすべての組織が全力で目標に向かって動く。そうすれば我々は限りない一体感を得て、全力疾走の爽快感を得ると共に、明るい豊かな社会実現へのスピードを更に増すことができるでしょう。

結びに

私は理事をするまでは気持ちが一歩引いたJC活動をしていました。ただ人脈が広がればいいなという考えで入会しただけで、特にJCに地域に想いもなく日々を過ごしていました。しかし、理事を経験し終えると、少しずつ心境が変わりはじめました。最初は私が理事の時に私を助けてくれたメンバーに恩返しをという「想い」から、委員会や例会に積極的に参加するようになりました。それから、積んだ経験をもとに委員会等で「語らう」ことができるようになりました。また、委員会や理事会でのメンバーとの語らいから、地域に対する「想い」が芽生え、強くなっていきました。そして、一般社団法人西脇青年会議所のメンバーみんなで「行動」をして事業を成してきました。

これが、私がJC活動で学んだ中で最も大きなところです。「想い、語らい、行動する」こと。想いだけでは空想の中。想いなき語りでは人の心を動かせない。想いなき行動は方向が定まらない。想い、語るだけでは実現できない。想い行動するだけでは人に伝わらない。この「想い、語らい、行動する」ことが何か事を起こす時、重要な基礎となると私は学びました。そして今、私は「想い、語らい、行動する」中で「志」が生まれると信じています。一般社団法人西脇青年会議所メンバーの皆さん、まず「想い」を持って下さい。「想い」がある方は、いろいろな機会でメンバーと大いに「語らう」事をして下さい。「想い」を存分に「語らい」あったら、力を合わせて「行動」しましょう。その中で必ず「志」は育まれ、そしてその「志」を以て我々はこの加杉野地域を活性化し、この日本を活性化し、明るい豊かな社会へと導きましょう。

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次回例会のご案内

2015年度 1月例会

2016年度 1月例会(新年祝賀会並びにシニアクラブ総会)

開催日時 2015年1月13日(水)
18:30開会
開催場所 西脇ロイヤルホテル2F
内  容 2016年度新年祝賀会並びシニアクラブ総会を行います。 場所 西脇ロイヤルホテル 現役メンバー  集合 17:45 開会 18:30 シニアクラブメンバー 受付 18:00~ ※非公開
担  当 総務事務局
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